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2013/01/24

オバマ大統領の2期目の就任演説

先日行われたオバマ大統領の2期目の就任スピーチです。

スクリプト

日本語訳

バイデン副大統領、連邦最高裁長官、連邦議会議員の各位、高名なゲストの方々、そして市民の皆さん。  大統領の就任式に集うたびに、我々は合衆国憲法が持つ不朽の強さの証人となる。我々は米国の民主主義の約束を支持する。この国の結束を可能にしているのは、肌の色でも信仰でも名前の起源でもないということを思い起こす。

 我々は、2世紀以上前に作られた独立宣言に明記された理念への忠誠によって、米国民という特別な存在になった。「我々は以下の真理を自明なものとみなす。すべての人間は生まれながらにして平等であり、生命、自由、そして幸福の追求という侵すべからざる権利を与えられている」

 今日、我々はこれらの言葉の意味と現実をつなぐため、終わりのない旅を続けている。これらの真理は自明なものかもしれないが、決して自然に実現するものではないと歴史が教えているからだ。また、自由は神からの贈り物だが、地上にいる人間が守るべきものだと歴史が教えているからだ。

 (独立宣言が採択された)1776年の愛国者たちは、王の圧政を少数の特権層や暴徒の支配に取って代わらせるために戦ったのではない。彼らは我々に共和国、つまり「人民の人民による人民のための政府」を与え、後世に建国の精神を守る務めを託した。そして200年以上にわたり、我々はそれを守ってきた。

 自由と平等の理念の上に立つ連邦が、奴隷制と自由が入り交じる状況では成り立たないと、我々はムチや剣で流された血によって学んだ。我々は自らを刷新して、共に前進することを誓った。

 我々は、迅速に移動したり商取引したりする近代経済には鉄道や高速道路が不可欠だと判断し、労働者の訓練には学校や大学が必要だと決めた。競争と公正な活動を保証する規則がある場合にのみ、自由な市場は繁栄しうると発見した。偉大な国は弱者を気遣い、最悪の危険や不幸から市民を守らなければならないと、我々は決意した。

 我々は一貫して中央の権力への疑いを決して放棄せず、政府だけで社会の病巣を全て治癒できるといった虚構に屈しなかった。独創力と進取の気性をたたえること、勤勉さや個人の責任へのこだわりは、我々の変わらない国民性だ。  

 しかし、時代の変化とともに我々も変わらなければならないということも常に理解してきた。建国の精神への忠誠は、新たな挑戦への新たな対応を求めている。個人の自由を守るためには、最終的に集団行動が必要となる。米国民が今日の世界の要求に単独の力で応えられないのは、米兵がマスケット銃(旧式歩兵銃)や民兵組織でファシズムや共産主義の勢力と戦えなかったことと同じだ。

 たった一人の人間では子どもたちの将来に欠かせない数学や科学の大勢の教師を訓練できないし、米国に新たな雇用や事業をもたらす道路やネットワーク、研究所もたった一人で築けない。我々は一つの国、一つの国民として、今まで以上に協力して取り組まねばならない。

 現代の米国民は、幾つもの危機に見舞われてきたが、強い決意で回復する力を証明してきた。10年間にわたった戦争は終わりつつある。経済の復興が始まった。米国には限りない可能性がある。なぜなら、我々はボーダーレス化する世界が求める全ての資質、若さと活力、多様性と開放性、危機に対応する無限の力と改革する才能を備えているからだ。米国民の皆さん、我々は今この時のためにいる。我々が協力して取り組めば時機をつかめるだろう。

 なぜなら、一握りの少数派しか豊かな生活を享受できず、かろうじて生活している人々がどんどん増える状況で、米国が成功することはありえないとわかっているからだ。米国の繁栄は、台頭する中間層の広い双肩にかかっていると信じる。全ての人が自立して仕事に誇りを見いだせる時、誠実な労働者の賃金が家族を苦難の瀬戸際から救う時、米国は繁栄できると我々は理解している。

 極めて貧しい家庭に生まれた少女でも、米国民であれば他の誰とも同じく成功するチャンスがあると自覚できる時、神だけでなく我々も彼女が自由で平等であると感じられる時、我々は信念を守っていると言える。

 使い古した制度は現代のニーズにそぐわないと、我々は知っている。だからこそ政府を再建するため、新たなアイデアと技術を活用すべきだ。税制を見直し、学校を改革し、市民が懸命に働き学んで、自らを向上させるのに必要な能力を身に付けられるようにしなければならない。

しかし、手段が変わっても、我々の目標は変わらない。それは全ての国民の努力と決意に報いる国をつくるという目標だ。それこそが時代の要請であり、我々の信念に真の意味を与えるものだ。

 我々は、全ての米国民が基本的な安全と尊厳を保つ権利を持つと信じる。医療費と財政赤字の規模を減らすため、厳しい選択をしなければならない。だが、この国を築き上げてきた(高齢者の)世代を大切にするか、未来を担う世代に投資するかという二者択一の考え方には反対する。

 貧しい老後を強いられたり、障害を持つ子どもの親に行き場がなかったりした、過去の教訓を我々は忘れていない。この国において、自由は幸運な人々だけに限られたものではなく、幸福は少数の人々だけに保証されるものではないと信じる。どんなに責任感を持って生きていても、職を失い、突然病気にかかり、ひどい嵐で家が押し流されることは誰にでもありうると、我々は知っている。

 メディケア(高齢者向け医療保険)やメディケイド(低所得層向け医療保険)、社会保障制度によって互いに支え合う仕組みは、我々の自発性を弱めるものではなく、我々を強化するものだ。これらの制度は「ただ乗り」する者を許すものではなく、国を繁栄させるためのリスクを自由に取れるようにするための仕組みだ。

 自らのためだけでなく子孫のために、米国民としての責務を果たすべきだ。我々は気候変動という脅威に対応していく。それに失敗すれば、子どもや未来の世代を裏切ることになると知っているからだ。科学が示す揺るぎない証拠を拒む者がいるかもしれないが、荒れ狂う森林火災や深刻な干ばつ、脅威を増す嵐による壊滅的な衝撃は、誰も避けられない。

 持続可能なエネルギー源(の確保)への道のりは長く、時には困難をもたらすだろう。しかし、米国はこの変遷に逆らうことはできない。我々が導かなければならない。新たな雇用や産業を生み出す技術で他の国々には負けられない。それを主張すべきだ。それによって米経済の持続力や、米国の宝である森林や河川、耕作地や雪に覆われた山々を維持していく。神が我々に命じた通りに、地球を保全していく。それは我々の父祖が宣言した信念に沿ったものだ。

永続的な安全と平和のため、絶え間なく戦争をする必要はないと信じる。戦火によって鍛えられた勇敢な米軍の兵士は、勇気と技能において誰よりも優れている。戦火により失った人々の記憶は米国民の脳裏に焼き付いており、自由のために払った代償を痛いほど理解している。彼らの犠牲を認識するからこそ、米国に危害を加えようとする者への警戒を永遠に緩めない。だが、我々は単に戦争に勝った人の子孫であるだけでなく、平和を勝ち取った人や敵を確かな友人へと変えた人の子孫でもある。その教訓を今に生かさねばならない。

 我々は強固な軍事力と法の原則の下に米国民を守り、米国の価値観を守っていく。他の国々との紛争を平和的に解決するよう試みる勇気を示そう。それは我々が直面する危険についての考えが甘いからでなく、(武力衝突は)疑念や恐怖が永続しかねないからだ。今後も米国は世界中のあらゆる地域の強力な同盟の「錨(いかり)」であり続ける。

 そして、今後も我々は海外の危機に対処する能力を強化する諸制度を刷新していく。世界で最も強力な国である米国ほど、平和な世界に関心を寄せる国はないからだ。アジアからアフリカ、中南米から中東にいたるまで、すべての民主主義を支援する。米国は自由を待ち焦がれる人々の代表として行動せずにはいられないからだ。

 我々は、貧しい人や病める人、社会から取り残されたり偏見の犠牲となったりしている人にとって、希望の根源であるべきだ。それは単なる慈善の心でなく、この時代の平和のためには寛容と機会、人間の尊厳と正義という我々共通の信念が示す原則を、絶えず進化させる必要があるからだ。

 我々は「すべての人間は生まれながらにして平等である」という最も明白な事実こそ、なお星のように我々を導く指針になっていると断言する。それが我々の先達を(女性解放の権利に関する初の集会を開いた)セネカフォールズや、(キング牧師ら黒人公民権運動の始祖が大行進した)セルマ、(同性愛者擁護運動が始まった)ストーンウォールへと導いた。この指針の導きにより、数多くの有名無名の男女がキング牧師の言葉を聞いた。「我々は独りで歩くことはできない。個人の自由は地球上の全ての魂の自由と密接に結びついている」という言葉を。

先駆者たちが始めたことを引き継ぐのは、我々の世代の仕事だ。我々の旅は、妻や母や娘たちが努力に見合う生活を営めるようになるまで終わらない。同性愛の兄弟姉妹が法の下で他の人たちと平等に扱われるようになるまで終わらない。なぜなら、我々が本当に生まれながらにして平等ならば、互いへの愛も平等でなければならないからだ。

 我々の旅は、投票権の行使に何時間も待つ人がいなくなるまで終わらない。まだ米国はチャンスがある国だと信じる、勤勉で希望に満ちた移民たちを受け入れる良い方策を見つけるまで終わらない。優秀な若い学生や技術者が米国から追い出されず労働力としてとどまれるようになるまで終わらない。すべての子どもたちが、デトロイトの路地からアパラチアの丘陵、(銃乱射事件で小学校の児童らが犠牲となった)ニュータウンの閑静な小道まで、行き届いた愛情を受けて、暴力から安全だといつも感じられるようになるまで終わらない。

 生命や自由、幸福の追求――。こうした言葉や権利、価値観が、すべての米国人にとって現実のものとなるべきだ。これは我々の世代の仕事である。(独立宣言など)我々の礎となる建国の文書に忠実であるためには、人生のすべてが一致しなければならないわけではない。皆が全く同じように自由を定義し、全く同じ幸福を追求しているわけでもない。前に進めるためには、政府の役割に関する何世紀にも及ぶ長い議論を終わらせる必要はない。我々の時代に合った行動をすればよい。

 我々は決断しなければならない。もう一刻の猶予もない。絶対主義を理念と取り違えたり、政治を見せ物にしたり、他人への中傷を合理的な議論であるかのように扱ってはならない。我々の仕事が不完全だとわかっていても、我々は行動しなければならない。今日の勝利は部分的なものでしかない。(独立宣言を採択した)フィラデルフィア議事堂で我々に託された不朽の精神を前進させる役割は、4年後、40年後、400年後に、この場に立つ者に委ねられていると知ったうえで行動すべきだ。

 米国民の皆さん。私が皆さんの前でした宣誓は、米国連邦議会議事堂で働く者の誓いと同じく、神と国家への宣誓であり、政党や派閥のための宣誓ではない。任期の間、我々は誓いを誠実に実行しなければならない。だが、この誓いは兵士たちの任務のための誓い、移民たちの夢を実現するための誓いとそう違わない。私の誓いは我々が星条旗に向かってする誓い、我々の心をプライドで満たす誓いと、そう違わない。これらは国民の言葉であり、我々の最も偉大な希望を代弁する誓いだ。

 皆さんと私は、市民としてこの国の道筋を決める力を持っている。皆さんと私は、市民として我々の時代の議論を形成する義務がある。投票するだけではなく、古くからの価値観や不朽の理想を守るために声をあげよう。

 我々一人ひとりが厳粛な義務と畏敬に満ちた喜びとともに、生まれながらの権利を大切にしよう。共通の努力と目的、情熱と献身によって歴史の呼びかけにこたえ、自由の尊い光を不確かな未来へと掲げていこう。

 ありがとう。皆さんに神のご加護を。そして、アメリカ合衆国に永遠の神のご加護がありますように。

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